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映画『生きる/LIVING』原作の黒澤映画との違い!あらすじと感想

映画

先日、映画『生きる/LIVING』を観ました。

我が家には、黒澤明監督の『生きる』のDVDがあり、
家族全員が好きな映画です。

映画『生きる/LIVING』は、ノーベル賞受賞作家の
カズオ・イシグロ氏が『生きる』のリメイク版の脚本を書きました。

今回、原作の『生きる』との違いにも注目して観てみました。

こちらでは、映画が大好きな60歳主婦が、映画『生きる/LIVING』を鑑賞した感想をまとめますね。

 

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『生きる/LIVING』感想!原作黒澤映画との違いも~

【感想】

黒澤映画『生きる』を何度も観ていますが、
イシグロ氏の脚本、イギリス版も、原作の筋書きがきちんと残っていました。

人生はそんなに長くない、、、
あらためてそう感じました。

ウィリアムズは、決して怠けていたわけではありませんでした。
でも、余命が半年と聞いた時、
子ども時代の憧れだった、
「英国紳士として

最後まできちんと働いて人生を全うしたい」と思ったのです。

間もなく命が消えると知った時、
どうするか?
人それぞれでしょう。
「私は何をしたいだろうか?」
そう思いながら映画を観ました。

ウィリアムズの選択は、
世間の目や評価を気にしないものでした。

自分がどうしたいか?
自分が納得できる最後

地域の女性たちが役所に懇願に来た時は、
全力で公園づくりに取り組みませんでした。

しかし、自分の命が半年という期限のある中で
ウィリアムズはこの仕事をやり遂げ、達成感、満足感の中で亡くなりました。

自分がどう生きるかを追求した半年だったなと思いました。

原作黒澤映画『生きる』では、主人公を演じた志村喬(しむらたかし)の執念を感じる演技に引き込まれました。

映画『生きる/LIVING』
イシグロ版では、ビル・ナイの柔らかいけど、深い、気持ちのこもった演技に胸を打たれました。

映画『生きる/LIVING』のあらすじ(ネタバレを含みます)

【あらすじ】

1953年、イギリスのロンドンの役所に務める
ミスター・ウィリアムズが主役の物語

毎日、規則正しく家と役所を往復していたウィリアムズに
ガンが見つかり、余命半年と告げられます。

突然、自分の命が半年しかないと聞いたウィリアムズ
どうしていいか分からず
自分はこの先どう生きていこうかと苦しみます。

海辺の町へ出かけ、今まで入ったこともないクラブやダンスホールに行きますが、
気持ちはふさぐばかり。

同居の息子夫婦に病気の話をしそびれ、途方に暮れていると、
転職した元部下の女性=マーガレットに会い、食事をする中で元気を取り戻します。

自分に残された時間で何をしたらいいのか!

ウィリアムズは、見送った書類を探し出し、
地域に子どもの公園を作ることに全力を尽くしました。

最後は、雪の日の夜、自分が作った公園のブランコで大好きな歌
スコットランド民謡=The Rowan Tree
ふるさとのナナカマド)を歌いながら亡くなりました。

(終わり)

映画『生きる/LIVING』良かった場面

【良かった場面】

1)主人公ウィリアムズが余命を告げられ、
悲しみの中で気を紛らわそうとすればするほど
途方に暮れる場面。

ウィリアムズの苦しみが痛いほど伝わってくる素晴らしい演技でした。

2)主人公ウィリアムズが、元部下のマーガレットと話す中で
元気をもらう場面。

彼女が付けた職場のメンバーのあだ名を聞いて、
感心し、おかしそうにプッと笑います。

ただ、自分に付けられたあだ名が「ゾンビ」だったことで考え込みました。
「ゾンビ(死んでいる)けれど動いてる人」
自分はそう見られても仕方がないと、気づいた時の主人公の表情は気の毒でした。

3)「自分に与えられた命=半年」で公園を作ると決めてからのウィリアムズの行動。

芯の通ったぶれない姿勢は見ていて気持ちが良かったです。

4)地域の主婦たちがウィリアムズの葬儀に訪れた場面。

心からウィリアムズに感謝し、彼の死を悲しんでいました。

映画『生きる/LIVING』の詳細・登場人物

〈詳細〉
(ウィキペディアより)

☆製作国:イギリス

☆原題:Living

☆監督:オリバー・ハーマナス

☆脚本:カズオ・イシグロ

☆原作:黒澤明「生きる」

☆日本公開:2023年3月31日

〈主な登場人物〉
(ウィキペディアより)

☆ミスター・ウィリアムズ
ビル・ナイ
(主人公)

☆マーガレット・ハリス
エイミー・ルー・ウッド
(元部下の女性社員)

☆ピーター・ウェイクリング
アレックス・シャープ
(新入男子社員)

☆サザー・ランド
トム・バーク
(海辺のレストランで出会った小説家)

映画『生きる/LIVING』まとめ

【まとめ】

映画『生きる/LIVING』を鑑賞しました。
「あと半年だけ生きられるとき、私は何をしたいだろうか?」
ウィリアムズと一緒に考えながら映画を観ました。

ノーベル賞受賞作家のカズオ・イシグロ氏が脚本を書いていますが、
黒澤明監督のオリジナル版のストーリーがそのまま継承されていて嬉しかったです。

カズオ・イシグロ氏の代表作「私を離さないで」「日の名残り」を読みましたが、
どちらもイギリスの美しい風景が頭に浮かびました。
今回の映画『生きる/LIVING』でも、
主人公が郊外から汽車に乗ってロンドン市内の役所まで通勤する景色は大変美しかったです。

映画の中で主人公が歌う「ゴンドラの唄」が
スコットランド民謡の「The Rowan Tree」に置き換わっていました
が、
それぞれ主人公の心情が伝わってきて良かったと思います。

主人公を演じたビル・ナイは
2023年アカデミー主演男優賞にノミネートされました。
慈しみが感じられる素晴らしい演技でした。

(映画は2023年3月31日に公開されました。)

 

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