ゆる~く長~く生きていきたい。
60歳主婦の本棚です。
実家の留守番中、85歳の母の部屋にあった本を読んでみました。
阿川佐和子さんの『聞く力』。
母は、阿川さんのファンなのかしら?
母の本には、気になったページのタイトルに印がありました。
私はそのページから読み始め、気になるメッセージは人それぞれなんだなと感じました。
こちらでは、母の気になった項目と私が読んで面白かった項目の内容をまとめ、感想を書いてみます。
85歳母と、60歳主婦が感じた「聞く力」、よろしければお付き合いくださいね。
阿川佐和子さんてどんな人?
阿川佐和子
「聞く力」こころをひらく55のヒント
筆者紹介より
エッセイスト
インタビュアー
※「聞く力」170万部突破の大ベストセラー
1953年生まれ。
83年から「情報デスクToday」のアシスタント
89年から「筑紫哲也NEWS23」のキャスター
98年から「ビートたけしのTVタックル」
2011年「サワコの朝」のレギュラー出演
著書
1999年「ああ言えばこう食う」第15回講談社エッセイ賞(檀ふみ氏との往復エッセイ)
2000年「ウメ子」第15回坪田譲治文学賞
2008年「婚約のあとで」第15回島清恋愛文学賞受賞
「阿川佐和子のこの人に会いたい」(週刊文春の対談ページ連載900回突破)
近著
「うから はらから」
「咲くも咲かぬも花嫁修業」
「ピーコとサワコ」(ピーコ氏と共著)
「センス・オブ・ワンダーを探して」(福岡伸一氏と共著)など。
私がよく覚えているのは、筑紫哲也さんのニュース番組でキャスターを務めていた阿川さんです。
現在の阿川さんはショートヘアが定着していますが、当時は肩まで髪があり、美しくて、ずっとアナウンサーの方だとばかり思っていました。
檀ふみさんも、女優さんですが本を執筆されていますよね。
阿川さんと共著もされています。
きっと、ふたりは気が合うはず…
阿川佐和子さんのお父様は作家の阿川弘之氏(代表作は「山本五十六」)
檀ふみさんのお父様は檀一郎氏(代表作は「火宅の人」
文学史に名を残した厳しい父親を持つ娘さん同士です。
育たれた環境が似ていたでしょうね。
聞く力(心をひらく35のヒント)の本について
エッセイスト阿川佐和子氏の「聞く力」は、170万部突破の大ベストセラー
阿川さんは、エッセイストかつ、インタビュアーで、雑誌やテレビで多くの方をインタビューされています。
その時、心がけていらっしゃることがこの本で面白おかしく書かれていました。
阿川さんは、インタビューに臨む際、聞きたいテーマを3つに絞り、
「質問は一つ」にしています。
本の構成は目次を見ると、3項目に分かれています。
1、聞き上手とは
2、聞く醍醐味とは
3、話しやすい聞き方
聞き上手になりたいな、と思ってこの本を手に取りましたが、面白いエピソードが一杯でした。
この本では、阿川さんがインタビューされた方が一部、紹介されています。
世の中には本当にいろいろな方がいらっしゃるんだな、とあらためて思いました。
でも、限られた時間で阿川さんがその人の魅力を引き出すと、どんな偉大な人も、身近に感じるから不思議です。
ご本人は失敗だったとおっしゃるインタビューも、私からすると、楽しい時間に感じられました。
それは、阿川さんの聞き方が玄人っぽくなくて自然だから。
本の概要(目次より)
1⃣聞き上手とは
①インタビューは苦手
②面白そうに聞く
③メールと会話は違う
④自分の話を聞いて欲しくない人はいない
⑤質問の柱は3本
⑥「あれ?」と思ったことを聞く
⑦観察を生かす
⑧段取りを完全に決めない
⑨相手の気持ちを推し測る
⑩自分ならどう思うかを考える
⑪上っ面な受け答えをしない2⃣聞く醍醐味
⑫会話は生ものと心得る
⑬脳みそを捜索する
⑭話が脱線したときの戻し方
⑮みんなでウケる
⑯最後まであきらめない
⑰素朴な質問を大切に
⑱お決まりの話にならないように
⑲聞きにくい話を突っ込むには
⑳先入観にとらわれない3⃣話しやすい
㉑相づちの極意
㉒「オウム返し質問」活用法
㉓初対面の人への近づき方
㉔慰めの言葉は2秒後に
㉕相手の目を見る
㉖目の高さを合わせる
㉗安易に「わかります」と言わない
㉘知ったかぶりをしない
㉙フックになる言葉を探す
㉚相手のテンポを大事にする
㉛喋りすぎは禁物?
㉜憧れの人への接し方
㉝相手に合わせて服を選ぶ
㉞食事は対談の後で
㉟遠藤周作さんに学んだこと
あとがきにかえて
「聞く力」母に響いたタイトルを読んで、あらすじと感想~
1、聞き上手
④「自分の話を聞いてほしくない人はいない」
3、話しやすい聞き方
㉛「喋りすぎは禁物?」
「自分の話を聞いてほしくない人はいない」
母は、自分の話を聞いてほしいのかな?と思いながらこちらの項目を読んでみました。
女性がおしゃべりでストレス発散していることを、羨ましく思うご友人(男性)の実話が紹介されています。
その男性は定年退職後、奥さまやその友達が楽しそうで真似をしたくても、急に話そうと思っても話せないんだそうです。
男性は組織で「余計なことはしゃべるな」と言われてきたことから、急にはおしゃべりにはなれないんですって。
へー、そうなんですね。
確かに長い間の習慣は急に変えられませんよね。
そこをなんとかするのもインタビュアーの腕の見せどころ。
阿川さんは、インタビューで、無口な人が自分の質問では少しでも口を開いてくださると飛び上がるほど嬉しく、それを最終目的にインタビュアーをされているそうですよ。
ただ、この章を読んでも、私の「母は、話を聞いて欲しいのかな?」という疑問は晴れないままでしたので、一度母に尋ねてみますね。
「ねえ、何か私に話したいことがある?」
「喋りすぎは禁物?」
母は、人生の中で何か、喋りすぎて失敗したのかな?
喋りすぎは良くない!と、何か思い当たることでもあるのでしょうか?
そう、思ってこの項目を読み進めました。
この章は、城山三郎さんのインタビューの回で、もっと話していただこうと、阿川さんが自分の子供時代の遠足の話をしたことが書かれています。
すっかり、聞き上手の城山さんに、阿川さんが乗せられてしまった面白い回でもあります。
その後、城山さんはきちんと質問に答えて下さったのですが、阿川さんの遠足の話のほうが長かったのでは?と笑える内容でした。
また、「インタビュー」は自分の得意分野の方にするばかりとは限りません。
雑誌のインタビューで、花田憲子さん、横綱曙関と連日対談されたことに少し、触れられています。
スポーツ音痴の阿川さんがどんなインタビューをされたのかは書かれていませんが、「緊張した」とあります。
よく知らないスポーツ界のことをインタビューするなんて、、、困りますよね!
私自身は相撲好きですが、この時代が一番、私の中の相撲熱が高かった頃です。
当時はとにかく若貴兄弟が強くて、ライバルの曙関の登場が取り組みを本当に面白くしてくれました。
横綱曙のインタビュー、聞いてみたかったなぁ。
苦手分野と言いながらも、阿川さんがインタビュアーとして面白い結果を出されていることがすごいなーと思うのです。
阿川さんは、ゲストの話を聞くときに、けっこう、ご自分の話もされるんだとか。
ところが、雑誌の対談記事は、阿川さんがとても聞き手だったようにまとめられています。
本当は、阿川さんの発言は潔くカットされているんだと知り、可笑しくなりました。
でも、それは、編集者に阿川さん本人が自分の箇所のカットを頼んでいたとか。
なるほど、ゲストの話を聞きだすのがインタビュアーですから、自分の話をしながらゲストに話していただき、最後の花はゲストに持たせる手法ですね。
まあ~謙虚ですね、阿川さん。
母は、「しゃべり過ぎは禁物」の本文よりも、花田憲子さんや、横綱曙の名前に反応したのかもしれません。
私同様、母は相撲が大好きですから。
「喋りすぎは禁物」
どんなインタビューだったのか、母も気になったのかな?
「聞く力」私が面白かった項目を2点、あらすじと感想~
2.聞く醍醐味
⑰「素朴な質問を大切に」
3、話しやすい聞き方
㉘「知ったかぶりはしない」
「素朴な質問を大切に」
阿川さんは、インタビューに臨む際、聞きたいテーマを3つに絞っています。
そして、「質問は一つ」にしています。
「今さらこんなことをうかがうのもナンなんですが」と勇気を出して聞いてみたら、思わぬ収穫を得た件。
この項では、聖飢魔Ⅱのデーモン閣下のインタビューのことが例に挙げられています。
阿川さんがデーモン閣下にした質問は、「そもそもヘヴィメタってなんですか?」
誰もが驚くような質問です。
普通は、知っているという前提でインタビューするものでしょう。
でも、実は私も知りません、ヘヴィメタ。
デーモン閣下の説明によると、「早さと激しさを追求したハードロックにドラマティックな様式美を持ち込んだもの」だそうです。
これは、阿川さんがされた「素朴な質問」でしたが、説明の上手なデーモン閣下が答えたので、とても分かりやすい、良いインタビューになったとか。
素朴な質問を大切にしたら、大勢の人が知ってそうで知らなかった答えをもらえた良い回になりました。
阿川さん、さすがです!
デーモン閣下は、ロック歌手ですが、相撲に非常に詳しく、よく解説にも登壇されていますよね。
皆さん、多彩で、趣味がプロ並みなのには感服します。
それにしても、素人の質問を代わりにして下さった阿川さん。
勇気があります。
後で調べなくても、一番詳しい方に素直に聞けば良いんですネ。
勉強になりました、私。
「知ったかぶりをしない」
ヤクルトが日本一になった時の野村監督ご夫妻にインタビューされた時のことが書かれています。
野球に全く興味がなかった阿川さんが、野球のことを一生懸命に予習して挑んだインタビューは、野球よりもご夫婦の在り方でした。
知ったかぶりをしなくて大正解だったようです。
野村監督と奥さまの絶妙に素敵な間柄に気づいた阿川さん。
すると、
強いヤクルトの監督、現役時代キャッチャーとして大きな実績を持つ野村克也、という世間の評判とは別のインタビューになってしまったのです。
夫婦仲が良くて、愚痴を言いつつも楽しそうなご主人と夫人の様子を見て、阿川さんも楽しくなってしまったとか。
インタビューは、ヤクルト優勝の裏側のインタビューではなく、野村監督夫妻の面白可笑しい夫婦仲で盛り上がりました!
私、想像できるんですよね。
野村監督率いるヤクルトスワローズが何度も優勝した時のことをよく覚えています。
「あ、毒舌のノムさん登場!口は悪いけど、結果を出す人。」
そんな印象でした。
その、ノムさんが、奥さまには頭が上がらない、それでも幸せそうに見えました。
阿川さんはまだ、野村監督と沙知代さんご夫妻が有名になられる前に、上手にご夫婦のお話を聞き出しました。
知ったかぶりをしない!
知らないのに野球の話に持っていかなかった、阿川さん流は強みですね。
また、この章を読んで、この時代の野球界を思い出し、懐かしく、私も嬉しくなりました。
阿川さん、ありがとうございます。
「聞く力」のまとめ
母の本棚から見つけた、阿川佐和子さんの「聞く力」を読みました。
タイトルを見て、読みたい章から読めますよ。
エッセイストでインタビュアーとしても大活躍の阿川佐和子さん。
第一回目のゲストは開高健さん。
お話がとてもお上手で、阿川さんはずっと聞いてうなづいていたと思ったら、、、
第二回目のゲストは城山三郎さん。
城山さんは聞き上手で、ずっと阿川さんが話しっ放しだった、、、という書き出しです。
はじまりから、可笑しくて、可笑しくて!
母の好きな項目は、
「自分の話を聞いて欲しくない人はいない」
「喋りすぎは禁物」
母の思いを想像しながら、、、。
私が読んで面白かった項目は、
「素朴な質問を大切に」
「知ったかぶりをしない」
上手くやろうと思わないことが、素人の私にもできることなのかなー、と思いました。
失敗をしながらも、自然体のインタビュアー阿川佐和子さん。
ゲストの方々も、話しやすいのでしょうね。
思いがけないお話が聞けると、お得感があります!
「聞く力」が上手くなるといいな、と思いながらこの本を読みましたが、
阿川さんのエッセイが読みやすく、プロぽくないインタビューの失敗談が微笑ましかったです。
すっかり、インタビュアーとして定着した阿川佐和子さん。
それでも、自然体で柔らかい聞き方は変わりません。
母が戻ってきたら、直接、本の感想を聞いてみますね!
以上、
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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